入れ歯には様々なものがあります。
初めに「入れ歯」とよく言いますが、正確には「義歯」です。義歯とは様々な機能を持った入れ歯です。従って「入れ歯」≠「義歯」です。大学でも「入れ歯」や「歯槽膿漏」の授業はありません。義歯や歯周病の授業があるのです。
 義歯のことを英語でdenture(デンチャー)と言います。
 ここでは、様々な義歯(保険外)のその特徴について記述して行きます。ページの最初へ


主な義歯の構造は、失われた歯の代行をする「人工歯」、その歯を支え歯ぐき(粘膜)に直接あたる部分を「床(しょう)」で出来ています。
また、部分床義歯(部分入れ歯)の場合は歯牙に義歯を固定する装置「鈎:クラスプ」が加わり、場合によっては左右の義歯を繋ぐ装置「連結子」を必要とします。


総義歯(そう入れ歯)の構造は「床」と「人工歯」より構成されている。ページの最初へ


 硬いレジン床面 と硬い骨面の間を粘膜と同じ固さの生体シリコンで均等に埋め、力を骨面 に対し均等に分散させると言う、新しい義歯です。

 21世紀はこの理論が基本になるでしょう。加えて、生体シリコンの生体親和性は他の歯科材料とは比較にならない。逆に粘膜と癒着の可能性があり、インプラントに代わる新しい方法が予想されでしょう。

(生体シリコンは避妊用リングにも応用されています。ご存知のように、一定期間で取り出さないと粘膜と癒着してしまいます。このように生体シリコンは口腔内と同じ条件下で癒着するのです。従って義歯と粘膜を癒着させる可能性は十分に考えられるのです。)ページの最初へ


 部分床義歯は、入れ歯の部分が外れないようにするために歯にバネをかけます。しかしそのバネは、時々かけている歯牙を横(側方)に引き倒す力になってしまいます。そのため歯牙の根(歯根)部分に磁石に付く金属を埋め込み、そして入れ歯側に磁石を埋め込み義歯を歯牙につける装置がこの磁性アタッチメントです。磁石は強力でよく付きますが、少し横のほうからの力(側方力)が働くと外れます。そのため義歯の側方力から歯牙を守ることができるのです。

写真の左はマグフィットを利用したもので、右は従来のバネ(クラスプ)のある義歯。


上の顎に2本の犬歯を利用した模型です。
犬歯に磁石に付く金属を埋め込んだ状態。

義歯の内面に、左図の犬歯部分に磁石を付けた義歯。
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材質はナイロン系のスーパーポリアミドでできており、軟らかく従来の硬い入れ歯に比べ歯肉や歯牙にあたる部位に優しい材料である。義歯が外れるのを防ぐバネの部分が歯肉の色をしており、審美性を考慮した義歯である。また、そのバネは歯牙ばかりでなく歯肉にもかかり歯牙を固定することができ、歯牙に優しい設計になっている。近年偽物が出回っていますのでご注意ください。


(症例1)
スマイルデンチャー装着前
金属のバネ(クラスプ)が目立つ

バネ(クラスプ)が見えなくなり、今まで入れた義歯の中で一番良いと絶賛さてた。
スマイルデンチャーのその特徴に軟性があり、眼鏡とソフトコンタクトレンズの違いくらいの差がある。


(症例2)
今までの保健の義歯装着時です。
右下にバネ(クラスプ)が目立ちます。

スマイルデンチャーだとクラスプがないので、大変審美的です。


(症例3)
左上の犬歯に針金型のクラスプが見えます

スマイルデンチャーにすることでワイヤーは消えました。

(症例4)
右側上下にクラスプが目立ちます

スマイルデンチャーにすることでクラスプがなくなりました。
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スマイルデンチャー同様軟性樹脂で出来ていますが、より強固にまた、精密に歯牙にフィットさせるため見えない裏側(舌側)に金属で補強した義歯です。

エステティックデンチャーの外側(唇側)つまり表の見える部分は軟性樹脂で出来ており、床が延長しているため審美的に障害になりにくい設計になっています。ページの最初へ


義歯の床の部分の一部を金属に置き換えた義歯です。通常のレジン床義歯に比べ薄く強靭に出来る上、熱を粘膜や舌に伝導しやすくなっています。お味噌汁など熱いものは熱く、また、冷たいものは冷たく感じます。使用する金属はコバルトクロム、金合金、チタンなどがあります。中でもチタンは軽量なのが特徴です。
写真は上顎(上用)です.下顎にも適応できますが、下顎に使用する場合、粘膜面には用いません。理由は下顎の義歯の縁は変化に富むため調整が必要であるからです。ページの最初へ


 義歯に用いる歯牙(人工歯)には、既製の物を用いることが多い。材質は陶材、軟質レジン、硬質レジンなどで作られている。しかしこれらは被せのようにその患者さんにあった幅、高さ、咬耗度を厳密に表現することはできません。そこで、かみ合わせにあった歯の形を作って行けるのがこの金属歯です。噛むところと裏側が金属で外は白い人工歯のままです。

(臨床例)
咬合面は金属(金)で覆われている。歯の幅は既製の人工歯より広くなり、患者さんの固有の咬合(かみ合わせ)に合うように設定されている。
また、金属歯の左の義歯の内面には磁性アタッチメントを埋め込んでいる。ページの最初へ


 納富哲夫先生考案の義歯。義歯がかかる歯牙にはfemale、義歯にはmaleが施され、義歯を歯牙に固定している。この装置に加え、義歯の金属にはスリットが施され、義歯の沈下時に歯牙を守ることができる。また、装置がすべて冠内にあるため審美的にも優れている。冠および義歯に用いる金属は弾力性を持続させるためgoldで作成し、冠と義歯のペアで作成します。ページの最初へ